ツィメルマンのコンサート
5月9日、ポーランド人ピアニスト、ツィメルマンのコンサートに行ってきた!会場はもちろん札幌コンサートホール、通称”キタラ”。待ちに待ったこの日、仕事を何とか5時には終わらせ会場内のレストランで軽く食事を済ませ会場入り。札幌では3つ用意されているプログラムのうち、プログラムIを演奏することが最近発表されたばかり。このプログラムには私が高校3年生の時にとある会で弾いたショパンのバラード4番(私がピアノを習おうと思うに至った曲の1つ)が含まれていて、大変心待ちにしていたのだ。
ツィメルマンのコンサートを聴くのは、マンチェスターのBridgewater Hallで聴いて以来2年ぶり!イギリスではほぼ毎年彼の演奏を聴いていた。それもそのはず当日スタンバイチケットだと約4ポンド(800円)で聴くことが出来ていたからだ。今思うとウィーンフィルもベルリンフィルハーモニー等もこの価格で聴いていたのだから何と贅沢な日々だったことか・・・
日本のチケットの高さはヨコにおいておいて、演奏はと言うと最初のモーツァルト・ソナタは個人的にはイマイチな感じ。たぶん内田光子のモーツァルトを聴き過ぎていることもあろうが、どうにも解釈の途中という感じがする演奏だった気がする。しかしながら次のベートーベン・ソナタ「悲愴」からはツィメルマンの実力を遺憾なく発揮する好演奏。特に間の取り方は勉強になった。素人が同じように弾くと単にぶつ切れの演奏と聞こえてしまうだろうが、その緊張感溢れる間は見事だった。
ここで20分間の休憩が入り、後半1番目の曲は今日の自分のメインとも言えるショパンのバラード4番。ショパンはバラードにおいて、ピアノによる1曲の独立した純粋な絶対音楽を目指したとも言われており、特にこの4番は名曲が多いバラード4曲の中でも優れていて、かつショパンの全作品中でもとびきりの傑作とも言われている。マンチェスターで聴いた彼のショパン・ピアノソナタ第3番も圧巻であったが、今回のバラード4番もその時に勝るとも劣らない程の感動を私に与えてくれた。特に四度目に登場する主題ではノクターンでおなじみの幅広い分散和音にのってメロディを半音的に分解しつつ流麗な進み方となるのだが、この部分ではもう涙々の状態。まさに一音一音が光り輝いていた。
その後の演奏、そしてアンコールの4曲も大変素晴らしかったのだが、こうしてショパンの演奏を聴いてみると、やはりショパンは多くのピアノを弾く人間にとって特別な存在であるのがよく分かる。もちろんピアノを本格的にやらなくなった今の自分にとってもそう。今の自分を問いたいとき、いつも対峙するのがショパンの曲なのだ。
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