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2007年5月14日 (月)

1人でも多くの子どもたちに。。。 その3

 皆さんは「ホスピタル・プレイ・スペシャリスト(以下HPS)」という職業を今まで耳にしたことがあるだろうか。日本では院内保育士あるいは病棟保育士、と言った方が馴染みがあるかもしれない。HPSはイギリスの資格であり、ニュージーランドや香港なども採用している資格である。

 そもそもHPSの役割とは何か。それは、入院している子どもに“遊び”を通じて治療内容を理解させて不安を取り除く一方、気持ちを他のものに向けることによって治療の円滑化を図る専門家のこと。治療している間、横で絵本などを読んであげたり、手術時には不安を和らげるため麻酔が完全にかかるまで横にいて励ますこともあるなど、日本の院内保育士と比べると一歩踏み込んだ形で患者と関わる専門職と言える。日本では制度化されていないためほとんど知られていないのが残念なところ。

 もう一つの仕事はプレパレーション(心の準備)と言われるもの。例えば特殊な動物のぬいぐるみを用い、服を脱がせ本体のチャックを下げると、血管や臓器、骨が出てくる。注射器も付いており、ぬいぐるみと遊びながらどのような治療が自分に施されるのかを医師からの説明のみならず遊びを通してHPSが子どもに理解させていく。また、不安を取り除くため独自に作製した本を使い教えることもしばしばだ。子どもの側に立ち、“遊び”を通じてケアし、治療の円滑化を図るスペシャリストがHPSなのだ。

 実は数名のHPSが日本でも小児病棟で活躍している。法の違いなど、イギリスで出来ることを全て日本で実践できるわけではない。それでも病気を患った子ども達に自らが何の病気にかかり、そしてどのような治療を今後受けていくのかを子どもながらに納得してもらった上で医師が治療を施していくために、そしてその治療の過程は決して苦しいものだけではなく”遊び”を通して精神的ケアをしていく上で、既に導入されている病院では欠かすことの出来ない存在となっているようだ。イギリスでは97%の小児病棟にHPSが配置されている一方で、日本では医療費制度の問題もあり、HPSどころか病棟保育士さえもがいない小児病棟の方が多い。しかしながら、子どもの発達ということからも、病院のような特殊な環境に例え短期間といえど“隔離”されてしまう経験の与える影響は大きく、医師や看護師のみではなく、HPSのような存在が小児病棟内にいることの意味ははかりしれないものがあろう。

 現在日本で活躍しているHPSの一人に在英中知り合うことが出来、今も友好を深めているのだが、是非ともその道のパイオニアとして今後も頑張り続けて欲しいと思う。保育士を目指そうとしている学生には、このような道もあるのだということを今後も伝えていくことが私に出来る1つの貢献だと思っている。

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コメント

音と風です♪今年の3月に『病児の遊びとおもちゃケア』というセミナーがありました。そこで、ホスピタルプレイスペシャリストの講演もあったのですが、大変勉強になりました。色々な情報を得て、少しでも病気の子ども達のためになる事ができたらいいなぁ・・・といつも思っています。blogで、その公開セミナーに関しても、チョコッと書いているので、お時間がございましたら、御覧になってみて下さい♪

投稿: 音と風 | 2008年5月25日 (日) 03時44分

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